新しい発見がある内容の濃い本である。 知らなかった箇所や、印象深い所に、付箋を付けてみた。 いかに学ぶ所が多くあったか、相当な数にのぼった。
幕末史の登場人物の簡潔で見事な人物評価が楽しい。 板倉勝静は、単純を絵に描いた人物だった。 この方、わが地元の殿様でした。 まさにぴったりで、思わずほくそえむ。
井伊直弼と水戸の確執について丁寧に説明されていた。 きっかけがいかに重要か、その後の歴史の流れを左右するという。 薩摩は水戸を使って桜田門外の変を起こした。薩摩の工作の巧みさ。 会津は勿論だが、長州や薩摩、それぞれの立場から丁寧に解説されている。全体を見渡すことがいかに大切か。
高杉晋作の特異な存在感、幕府の無能さを誰よりも早く察知した冷静な状況判断。彼なくして、長州藩は存在しなかっただろう。 晋作の言葉で、「人は艱難は共にできるが富貴は共にできない」というものがある。 岩倉が亡くなり、その後の日本を率いた長州閥を予言していたのだろうか。
「勅書が偽物なら錦の御旗も偽物、これぞ幕末最大の謀略だった」 畳み掛けるような情熱的な文章が、140年前の革命を呼び起こしてくれる。
大久保利通が暗殺された時の馬車を見たことがある。 紀尾井坂を転げながら、天下を手中に納めた彼の脳裏に去来したものは、なんだったのだろう。 その答えは、本書を読めば明々白々である。
「謀略の幕末史―幕府崩壊の真犯人」 星亮一・著 (講談社プラスアルファ新書) 880円
このページは、hosblo01が2009年7月19日 21:46に書いたブログ記事です。
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